Animal Loversペットと暮らす著名人

Date 2021.10.01

WAN FILE 01 Mr.Kohei Takeda

誰もがヒーローになれる。共に想い幸せを作る家族。

武田航平さん

台東区で暮らす武田さん。学生から俳優として活躍し、ヒーローも演じ子供たちから憧れの存在となるまでのストーリーやわんちゃんたちと描く未来についてのぞいてみよう。

「人に楽しんでもらいたい気持ちは変わらないから俳優じゃない道でも良かった。」

まだ日が低い涼しい朝の時間、眩しい笑顔で爽やかに歩く姿が見えた。

ランニングやわんちゃんのお散歩で道行く人はまだ少なく、明るい雰囲気の航平さんに目をやる人もいた。

片手には小さな犬が1匹、足元で動き回るこちらも小さな犬が1匹。お揃いの洋服を着てチラチラとこちらを見てくる。

輝かしい世界で俳優として自身を確立できるのは、想像以上にほんの一握りの人なのではないだろうか。

家族を守っていくためには、一見険しすぎる道に見えるその仕事を、楽しみながら演じる価値を新たに見出し突き進む姿は世間を魅了し、生き様そのものに感動する人も多いはずだ。

「もう長いことやってきて引退も考えた時期がありました。ディズニーが好きで面接まで設定したんですが、10年前にお世話になった方から予想外のオファーがあったんです。」

使命を全うしたい。 子供たちの憧れの的になりたい。

名前がない役、セリフがほんの少しの役、花形になるために努力を重ねても思い通りに実らない時期には、今とは異なった道も考えたそうだ。

それは航平さんに限らず、作品を撮る側、カメラマンやディレクターにも似たような境遇をもつ人がいる。

「10年前初めて仮面ライダーに出させてもらって、当時プロデューサーのアシスタントだった方が今ではトッププロデューサーになられた作品で”ここで君が必要だ”とお話をいただいた時は感慨深かったです。」

誰もが憧れるヒーローの世界、売れてやるぞと意気込んで力んでいた10年前とは違い、「使命を全うしなきゃと思いました。」

責任感と情熱との間で演じきった。


憧れの存在として認知され、プライベートでも背筋を伸ばすような気持ちが芽生え、子供たちの夢や希望に寄り添っていけることに喜びを感じたそうだ。

その責任感は俳優としてだけではなく、小さな命を2つも守らなければいけない者としても強まった。

「ずっと犬と暮らしたかった。 子供の頃からの夢は体が弱いこの子を迎えることから始まりました。」

何度もお店を訪ねてみるものの、可愛い子を迎えようという気持ちよりも、小さく静かにそこにいる子のことが気になった。

話を聞くと、「体が弱くワクチンが打てるか分からない、食道が肥大して伸縮しない、膝が抜けやすい、小さな体を苦しめる問題がいくつあり、飼い手がつかないと言われましたけど、何回か見に行ってまだいたので連れて帰ろうと思いました。」

体が小さく食事も思うようにとれないとなると、体力も少なく、慎重に向き合わなければいけない状態だったそうだ。それでも可愛くて仕方ない、家族としてキビに芽生える想いは日に日に強くなり、仕事への考え方も変化していった。

「変にお金を追わなくなって、限りある時間を大切に過ごしたいとすごく思えるようになりました。ダメならダメでいいんじゃないかと思えるようになったことで、高級なマンションに住みたい、良いものを身につけたい、そういう気持ちがなくなって、マイペースにしっかり責任を果たして行こうと思いました。」

心が変わると環境にも変化がおき、不思議と仕事も増加した。望むばかりではなく応えていく、誰かのために懸命にやろうとする姿をしっかりと見ている人がいるのだろう。

俳優として覚悟を持った航平さんから伝わる安心感。

きっとわんちゃんたちにも伝わっていて共に過ごせることに喜びを感じているのではないだろうか。

「多頭飼いは長生きすると聞いたことがあって、コロを迎えました。キビが甘えん坊なのでよく戯れてマウント取るんですが、ハイハイって感じでコロが遊んでる様子が兄弟みたいで可愛いですね。」

「結婚して家族が増え、一緒に過ごせる時間もあって、コロの甘える場所ができたことが嬉しいです。」

2匹と航平さん、これがそれまでの武田家構成だったが20年末頃に入籍し、素敵な奥様を迎えられた。

4人家族となり、責任感が増すことはもちろんだが助け合える、支え合える人がそばにいることは、キビとコロにとっても拠り所になるのではないだろうか。

「僕がキビのお世話に体を取られることで、コロはあまり甘えられていなかったと思うんですが、妻が来てからはクークー鳴くほど嬉しいみたいです。」

世界的に新型コロナの影響で外出機会が減ってしまい、ストレスがかかるのは武田家も例外ではない。

それでも前向きに、撮影で遠方に行くことがあっても常に家族を想う心は、家族だけでなく保護団体へも向けられている。

「保護団体さんに協力したくて、調べては電話するを妻とたくさん繰り返して探しました。必要な物資を渡すことしか出来ないけど、何か出来ることをしたいという気持ちが日に日に強くなります。」

芸能人としてイメージアップに慈善活動をする時代ではない、本心からそれぞれが出来ることを出来る範囲で懸命に協力する様子は、SNSやネットニュースを通して誰もが知っていることではないだろうか。

わんちゃんたちとの暮らしが航平さんたちの心を豊かにし、意識をも大きく変えた。

「小さいことかもしれないですけど、出来ることをしたい。初めは寄付自体ハードルの高さを感じていましたが、訪問する度に元気になった子や卒業した子がいることを知ると、こっちが勇気づけられます。」

誰かを想って起こした行動が結果的に自身を成長させる出来事になったようだ。

なんとなく簡単そうに見えてしまう寄付やボランティアだが、どんなアクションだとしても確実に幸せを見つけるためのお手伝いになっているのだ。

「もっと家族が増えたら、引越してわんちゃん達にとっても暮らしやすい家を買いたいです。」

都会で生活すると少しでも自然に触れる機会があると心安らぐのは、誰にでも共通するではないだろうか。

ましてや芸能という競走が激しく、状況も刻一刻と変化する社会に身をおくと、風が吹き木が鳴り、波が寄せて水が流れるような優しい音を求めるのはごく自然なことだ。

それでも少し気持ちに余裕が持てるようになったからこそ、描ける未来なのかもしれない。

「都会からちょっとだけずれて、リノベーションでもいい、マンションでもなんでもいいんですが、自分たちで考えて作ってみたいと思えるようになりました。普通の夢ですけど、子供が出来たり新しいわんちゃんを迎えたとしても、家族でゆっくり過ごせるような家を見つけたいですね。」

傾く日がキラキラする水面を見つめながら、決意のようにも感じる言葉を繋いでくれた。夢のマイホームもち自然の中で伸び伸びと暮らす家族の映像を浮かべていたのだろうか。

これからも自身をレベルアップ、強くする存在としてキビとコロと共にこれから家族を守っていく航平さん。

ずっと見守りたくなる小さな2匹にも、その姿は輝くヒーローに見えるのではないだろうか。

PROFILE

Mr.Kohei Takeda

武田航平さん

Mr.Kohei Takeda
俳優 | 台東区

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