犬の病気Date 2021.10.15
犬が下痢に!ビオフェルミンを与えたら治る?注意点や対処法を解説?
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ある日突然、愛犬のうんちがゆるくなってしまったり下痢になってしまった・・・
そのような経験はありませんか?
わんちゃんも生き物なので、体の構造は私たち人間と同じです。
内蔵の不具合があると、排泄物に影響します。
私たち人間はお腹の調子が悪くなると、整腸剤を服用することがありますよね。
わんちゃんにも与えても良いのでしょうか?
- PROFILE
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Ripo
WanTime編集部|りほ
ペット歴25年
保護犬ボランティアをしながら、3匹の愛犬と暮らす。
ビオフェルミンとは?効果や効能について
乳酸菌でおなじみの「ビオフェルミン」、皆さんも一度は耳にしたことがあると思います。
ビオフェルミン製剤は数種類販売されており、代表的なものとして「ビオフェルミン健胃消化薬錠」「新ビオフェルミンS錠」が販売されております。
処方薬局でもらうことが出来る「ビオフェルミンR」という種類もあります。
上述した健胃消化薬、ビオフェルミンRの2種類は医薬品となっていますが、「新ビオフェルミンS」は医薬部外品に指定されています。
日本の薬事法になぞらえていうと薬とサプリメントの様な機能食品の間に位置する扱いです。
今回は「新ビオフェルミンS」についてお話していきたいと思います。
新ビオフェルミンSは、成分の大半を乳酸菌で占めており、その他の成分にコーンスターチや砂糖が含まれていることから「ラムネ菓子」に近い物と想像してください。
効能、効果としては…
・整腸作用
・便秘
・軟便
・腹部膨張感
などに作用します。
「ビフィズス菌」は、大腸に住みつき、乳酸と酢酸をつくり整腸効果を高めます。
「フェーカリス菌」は、小腸に住みつき乱れた腸内菌叢を整え、アシドフィルス菌は乳酸を生成し有害菌を押さえます。
簡単に言ってしまえば、お腹の緩い時は便を固める効果が、逆に便秘の時には、スムーズな排便の効果が表れます。
ビオフェルミンには犬用と人用とあるのか?
上記では、人間用のビオフェルミン製薬を紹介しましたが、わんちゃん用の新ビオフェルミンSは存在するのでしょうか?
現在、わんちゃん用の「新ビオフェルミンS」はありませんが、ビオフェルミン関連のペット商品はあります。
わんちゃん用、人間用の違いとして大きなものは、“配合されているプロバイオティクス、成分が違う”です。
「プロバイオティクス」とは、腸内環境改善、整腸作用をもたらす微生物。
または、それらを含む食品、生菌剤のことを言います。
わんちゃんの胃酸は、人間と比べると2倍~4倍と強酸性なので、その胃酸を超えて腸に届くような菌が配合されています。
ビオフェルミン自体、人間にもわんちゃんにもよく使用される整腸剤です。
比較的安全性が高く、人間用の物を与えても大きな影響はなく問題ありませんが、注意すべき点がいくつかあるので後ほどお話します。
犬が下痢の時にビオフェルミンは効くのか?
ビオフェルミンに含まれる乳酸菌は大腸・小腸に作用し整腸効果をもたらしてくれます。
私たちが生活するうえで、症状が一過性で現れた場合、ビオフェルミンを接種することで、ある程度の効果・効能があるように、わんちゃんの体調に似たような症状が現れた時も同じように効果・効能をもたらせてくれます。
わんちゃんに限らず、動物の腸内には非常に多くの種類の細菌が生息しています。
腸に良い働きをする“善玉菌”、脂質や動物性タンパク質から有害な物質をつくる“悪玉菌”、腸内細菌の中でも多数派を占め、腸内フローラ形成に大きくかかわる“日和見菌”があります。
これらの細菌の集合体がお花畑に見える事から“腸内フローラ”と呼ばれるようになりました。
「腸内フローラ」は、食べたものを栄養に作り変え、免疫力を向上させるなど、健康維持の一翼を担っています。
そのため、腸内フローラのバランスを整えることは、身体のバランスを整える事に繋がるのです。
ビオフェルミンの主な成分であるビフィズス菌、乳酸菌は“善玉菌”に分類されており、腸内環境が悪い、いわゆる悪玉菌が増えている時に、これらの善玉菌を取り込むことで腸内環境が整います。
しかしながら、ビオフェルミンはあくまでも整腸剤に過ぎず、2,3日あるいはそれ以上与えても改善が見られないようであれば、下痢を起こす原因として病気が隠れていると判断し、治療にあたらなければなりません。
犬にビオフェルミンを与える正しいやり方を解説!
わんちゃんに人間用のビオフェルミン錠を与える時は、人間同様、用法・用量を守る必要があります。
与える用量の目安として、体重1kgに対して、10mg~20mgを1日2~3回が適量です。
例えば、体重2kg程度のチワワの場合、一般的なビオフェルミン1錠に含まれるビフィズス菌が「12g」とされているので、1回の用量は1錠となります。
また、ミニチュアダックスフンドのような体重4kg程度のわんちゃんには、1錠~2錠程度が適量となります。
犬にビオフェルミン与える時に注意したいことは?
与える際に特に注意しなければならないことは、ビオフェルミンはあくまでも整腸剤ということです。
一時的に改善が見られたとしても、“与えるのを止めたら再発した”といって与える習慣を身に付けることは、大切かもしれません。
継続的に与えることは、生活習慣上悪い事ではありませんが、根本的な症状の原因の可能性を疑いましょう。
ビオフェルミン製剤をあまり過信せず、日頃から犬の健康状態を見守りましょう。
また、わんちゃんによっては乳製品アレルギーを抱えている場合もあります。
これまでにビオフェルミンを与えたことが無い、何かしらの食品でアレルギーが出たことがある犬に与える際には、事前に一度かかりつけのお医者さんに相談してみましょう。
ビオフェルミンを与えても犬の下痢が治らない場合はどうしたらいい?
整腸剤での改善が見られない場合は、不調の原因があることを疑い、根本的な治療を行わなければなりません。
その際に、わんちゃんの症状をキチンと説明できるよう、体調が悪い時の生活や食事記録などを残しておきましょう。
ビオフェルミンを与えても治らないときに考えられる病気の可能性として、ウイルスや寄生虫などの病原体が原因で腸が炎症を起こしてしまう“感染症”があります。
腸が炎症を起こしてしますと、下痢の症状が現れます。
感染症の種類としては「犬パルボウイルス感染症」「犬コロナウイルス感染症」「犬ジステンパーウイルス感染症」などがあります。
他にも慢性的に腸が炎症を起こす「炎症性腸疾患」がありますが、原因は明らかになっていません。
考えられる理由としては、腸粘膜が異常な免疫反応を起こすことと、何か関係しているということです。
発症すると慢性的な下痢、嘔吐、食欲不振、体重減少などの症状に繋がります
また、乳製品にアレルギーを持っている犬の場合、体調を整えるつもりが逆に“中毒アレルギーによる腸炎”を引き起こす可能性もあります。
乳酸菌製剤であるビオフェルミンには、乳酸菌が多く含まれており、与える事でアレルギー反応が引き起こされ、皮膚炎はもちろん、鼻炎、目の炎症、下痢、嘔吐の消化器系の症状が現れます。
それ以外にも気を付けるべき点としては「食事」です。
脂質や動物性たんぱく質を多く含む食事は、わんちゃん、人間問わず“悪玉菌”によって、腸内環境にとって有害な物質をつくります。
先に述べたように、「腸内フローラ」のバランスが整うような食事にも気を付けましょう。
犬の下痢とビオフェルミンに関するまとめ
ビオフェルミンには数種類の製品がありますが、家庭でわんちゃん、人間ともに安心して使用可能な『新ビオフェルミンS』をお勧めします。
しかし、「ビオフェルミンS錠」は薬ではなく、あくまでも整腸効果の期待出来る乳酸菌で出来た健康補助食品として考えた方がよいでしょう。
実際に与える際には、愛犬の体調、アレルギーを注意深く観察し、不安が生じるようであれば、事前に一度お医者さんに相談しましょう。
体質や体調不良の原因により効果・効能がない場合もあります。
数日間与えても効果が無い、与えるのを止めて再発した際には、根本的な原因である病気の可能性を疑い、人間同様かかりつけの医者に診てもらう方が良いでしょう。
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