犬の病気Date 2021.10.16

老犬の息が荒いのは危険!?よく吠える時の原因や対策法を解説!

  • #病気

わんちゃんの寿命は犬種にもよりますが、「10歳前後」といわれています。

大型犬では「10歳前後」、中型犬では「12~13歳前後」、小型犬では「14~15歳前後」のようです。

体が小さくなるほど、長寿の傾向にあると言われています。


小型犬で20歳近く生きているなんてこともあり、犬の寿命は動物医療の発達でどんどん伸びてきています。

シニアといわれる老犬時代は、だいたい7歳ころから始まります。

2歳までは子犬で、5歳まで大人、7歳までが中年期で、それ以降が老年期とした場合、ずいぶんと老年期が長い計算になりますよね。

あっという間に成長した愛犬は、気が付いたらシニアと呼ばれる世代に。

階段を避けるようになったり、寝ていることが増えたり頑固になったり老いのサインが徐々に出てきます。


その中で息が荒い、吠えるなど日常のなかで気になることも多くなります。

そのため、今回は「老犬の呼吸状態や吠え」について解説していきます。

PROFILE

Ripo

WanTime編集部|りほ

ペット歴25年
保護犬ボランティアをしながら、3匹の愛犬と暮らす。

老犬の息が荒いのは危険なサイン?

わんちゃんの呼吸が荒くなる原因はいろいろあるので、「一概に大丈夫!危険!」とは言えません。

年をとると、息があがりやすくなるのは人も同じですよね。

人とわんちゃんとで違いがあるとすれば、わんちゃんは呼吸をすることで体温調整をしています

夏に「はぁはぁ」と息が荒くなるのは、このためで気化熱として熱を逃しているからです。


老犬は身体能力や心肺機能の低下で、ちょっとの事でも呼吸が荒くなります。

荒い呼吸の大半は、特に心配の要らないことも多いのですが、病気が隠れていることもありえます。

ここからは、老犬が呼吸を荒くする原因をいくつか紹介しておきます。

心配のないケース

暑い時
気温が高い時、湿度が高い時など呼吸は荒くなります。
若い時よりも過敏なことが多いようですね。


運動した時
運動でたくさんの酸素を必要とするため、散歩や遊びなどでも呼吸は荒くなります。


不安などのストレス
雷や留守番など苦手なことが起こると、呼吸が荒くなります。
特に老犬になりますと、嫌いな物が増えて頑固になります。

心配なケース

心臓に原因があるとき
心臓疾患やフィラリア感染でも呼吸が荒くなります。老犬になると心臓疾患が増えるのは人でも同じですよね。
同じように犬でも心臓の疾患が増えてきます。7歳を超えたら年に一度健康診断を行ってあげましょう。

フィラリア感染は、防げる疾患です。
毎年時期がきたら、忘れずに投薬することで発症をふせげます。


熱中症
熱中症は高温多湿の環境で遊んだり、車に居たりなど、狭い場所に居た時などに起こりやすいのは知られていますよね。そのような環境に居た老犬が、呼吸が荒い時は、熱中症になっている可能性があります。

老犬の息が荒いとよく吠える原因は?

老犬の呼吸が荒く、よく吠えるようになった。元は吠えないのに吠えるようになったのであれば、認知症の可能性があります。

うろうろとうろついたり、ずっと吠えたりするようになります。

老化によって脳が委縮したり、脳細胞の一部が死滅したりすることでおこります。

犬の認知症が疑わしい症状をいつくか紹介しておきます。


呼びかけへの反応が鈍い、無視する、ぼんやりする
意味なく吠え続ける(夜中、時間関係なく)
徘徊する(部屋の中をうろうろする、同じ方向に回っている)
行き止まりで方向転換出来ない、行き詰る
トイレの失敗が増える



徐々に進行していきますので、急に上記の症状が出るわけではありません。

夜間吠え続けられると、ご近所にも迷惑ですし、眠れなくて疲れ果ててしまいますよね。


考えられる原因としては、日中と夜間の区別がつかなくなっていることが挙げられます。

日中に太陽光を浴びるなどで、昼夜の区別をつけてあげましょう。


また、訳もなく不安になって吠え続けることもあります。

気持ちが落ち着くような投薬を行うことで軽減することもあるので、その場合には獣医師に相談してみましょう。


それから、サンダーシャツのような、体にぴったりのシャツにも効果がある場合もありますよ

頭を使うようにしむけて、脳を刺激することで、進行を遅らせることが出来ると言われています。

老犬の息が荒い場合に起こりやすい病気とは?

わんちゃんは痛みや不安で呼吸が荒くなったり、体が酸欠状態になっている時に息が荒くなったりします。

「はぁはぁ」と荒い息を続けている時には、痛みや不調を訴えている場合もあるので、まずは原因を取り除いてあげましょう。

ここからは、息が荒い時に考えられる疾患をいくつか紹介します。

僧帽弁閉鎖不全症

老犬になると増えてくる疾患です。

特に、小型犬によくみられる疾患なので、老齢といわれる年代になったら定期健診を受けておきましょう。

心臓には各所に弁があり、送り出した血液が戻ってこないように、収縮に合わせて閉じる仕組みになっています。

その弁が完全に閉じないと、血液が送り出せなかったり、戻ってきたりで脳が酸欠になります。

そのため、「酸素が足りない!」と脳からの指令を受けて呼吸数が増えます。

犬座姿勢という座った姿勢で、荒い息をしていることが多いようです。

フィラリア症感染

フィラリアという寄生虫に感染しますと、症状が進むと息が荒くなります。

フィラリアが心臓や血管に寄生するので、呼吸困難を起こすことがあります。

ただし、フィラリア症は投薬を忘れずに行うことで予防できます

気管支の疾患

小型犬では、気管虚脱の先天性疾患を持っていることもあるので注意しましょう。

若い時には、平気でも年をとってから症状が出てきます。

気管支が狭くなることで、行き来する空気が物理的な減ってしまうことで呼吸が荒くなります。

血液に問題がある

酸素を運ぶ「ヘモグロビン」が少ない時にも息が荒くなります。
ひどい貧血の時など、少し動いただけで息が荒くなります。

老犬の呼吸数は、安静時には小型犬で20回大型犬で15回(1分間)くらいです。

もちろん個体差がありますが、参考にしてみてください。

老犬の息が荒い時に飼い主ができる対策とは?

老犬の息が、荒い時に飼い主ができることはなんでしょうか?

「はぁはぁ」と辛そうに呼吸をする愛犬。飼い主としては何かしてあげたいですよね。

座った姿勢で「はぁはぁ」と激しく呼吸をしている状態を「犬座姿勢」と言いますが、実はこの犬座姿勢は、犬にとっては楽な姿勢です。

自分で動ける子であれば、楽な姿勢を自分で取れるのでそのままにしてあげましょう。


疾患が見つかっている時には、もちろん疾患の治療を行います。

では家庭で出来る事ってどんなことでしょうか。

部屋を快適な温度にする
うつ伏せにする


仰向けや横向きに寝ている子では、呼吸がしにくいので、タオルなどを丸めてうつ伏せになれるようにしてあげましょう。

ますます老犬の息が荒くなったらどこの病院へ連れて行くべき?

ますます老犬の息が荒くなった場合には、いつも診てくれている獣医さんに連れて行くようにしましょう。

息が荒い時に、獣医さんに連れていく判断基準は、いつもと様子が違う「ぐったりしている」などのときです。

また、その子の様子を把握している「かかりつけ医」がベストチョイスです。

さらに検査の必要があれば、獣医師の方で検査機関を紹介してくれます。

老犬の息が荒い場合のまとめ

老犬の息が荒い場合の考えられる原因や対処を解説してきました。

息が荒いのはよくあることでも、「いつもと違う」というのは大切な判断基準です。

動物病院受診の目安をまとめておきますので、参考にしてくださいね。


上を向いて荒い呼吸をしている(のどをみせて呼吸している)
体全体で呼吸をしている(努力呼吸)
ヨダレをたらして荒い呼吸をしている
チアノーゼが出ている(舌が紫色になっている)



上記のような症状が出ていれば、様子を見ずに受診するようにしましょう。

老犬の呼吸が荒いこと自体は、意外と普通のことかもしれませんが、その中で、受診が必要なケースもありますので、判断に迷いますよね。

いつもと違う、そんな時には早めに受診するようにしましょう。

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