犬の病気Date 2021.10.12
老犬がご飯を食べない時に水は飲む理由とは?飼い主ができることを紹介!
- #犬の気持ち
- #介護
今や大切な家族となり、飼い主にとってはかけがえのない存在となっているペット。
昔に比べ、わんちゃんを室内で飼うことも多くなり、家族とより多くの時間を過ごすようになりました。
それに伴い、ペットの飼育環境も改善され、医療も進んだことで、ペットがより長生きするようになりました。
そこで飼い主が直面するのがペットの「介護」です。
今回はその介護の中でも重要な「食事」をメインに、お話していきたいと思います。
- PROFILE
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Ripo
WanTime編集部|りほ
ペット歴25年
保護犬ボランティアをしながら、3匹の愛犬と暮らす。
老犬がご飯を食べないのに水は飲む理由について
若いわんちゃんであれば、食欲がなくても「今日は体調が悪いのかな?」と飼い主も少し心配するくらいですが、老犬の食欲がない場合は、とても心配になりますね。
まずは、ご飯を食べない時。
それにはいくつかの理由が考えられます。
↓↓
・体力が衰えて食べられない
・首などに痛みがある
・口の中にできものがある
・歯が抜けている、グラついている
・噛む力、飲み込む力が衰えている
・ご飯の固さ
・嗜好の変化
・味覚や嗅覚の衰え
・意識が朦朧としている
などがあります。
そして、こうした原因からご飯は食べないのに、水は飲む理由というのは…
・喉や口の渇きを潤したい
・食事からとれない水分をとろうとしている
といったことが挙げられます。
水分を全くとれないと「脱水症状」に陥ってしまいます。
老犬が自分で水を飲みたい時に飲めるのなら良いのですが、もしそうでないなら、シリンジを使って水をあげたり、濡れたタオルで口をしめらせたりしてあげましょう。
この時に気をつけたいのは、1度にたくさんではなく、こまめに少しずつあげることです。
老犬にご飯を食べさせたい時の対処法とは?
「どうして食べないのか、言葉が話せたらいいのに。」
私自身、何度そう思ったかわかりません。
先程もお話したように、老犬がご飯を食べない理由はさまざまです。
理由が1つの時もありますし、いくつかの理由が合わさっていることも考えられます。
まずは、飼い主ができる工夫してみましょう。
フードにトッピングを乗せてみる
いつものフードを食べてくれない時は、茹でたささみを乗せたり、市販の犬用ふりかけをかけたりして、少し味に変化をもたせてみましょう。
フードの固さを変えてみる
フードを少しお湯につけて固さを変えてみましょう。
「固くて飲み込めなかったために食欲が落ちていた」ということも考えられます。
固形のフードを飲み込むことが困難であれば、ペースト状にしてスプーンで口に運んだり、シリンジで口の横から少しずつあげてみて下さい。
犬の体勢を変えてみる
ご飯をあげる時、わんちゃんはどんな体勢になっていますか?
足腰の踏ん張りがきかなくなっているのなら、フセの状態であげることで、足腰への負担を軽減できます。
また、わんちゃんの顔の高さにご飯をもっていってあげると、飲み込みやすくなることもあります。
寝たきりの老犬でも、頭を膝に乗せたり、クッションに頭を乗せたりして、頭の位置を少し高くしてあげましょう。
こうした工夫で、ご飯がが詰まったり、気管に入ったりすることを防ぎましょう。
ご飯以外の好きなおやつをあげてみる
できれば、栄養バランスのよいご飯をあげたいところですが、何をやっても食べてくれない時には、好きなおやつをあげてみましょう。
おやつだけでも食べてくれるとホッとしますね。
どうしてもご飯が食べられない場合は余命が近い証拠?
食べたそうな素振りもなく、いろいろ工夫したけれど、結局食べてくれない。
そんな時は、もしかするとお別れの時が近づいているのかもしれません。
飼い主としては認めたくない事実ですが、「もしかしたら」という思いをもつことで、覚悟や心の準備をすることも必要です。
悔いのないように、精一杯その日までお世話をしてあげて下さい。
飼い主が老犬にしてあげられる最大のこととは?
飼い主が老犬にしてあげられることはたくさんありますが、その中でも特に大切なことをお伝えします。
定期的に動物病院で健康診断をする
人間が1年に1回、健康診断をするのと同じように、わんちゃんにも健康診断を受けさせてあげましょう。
毎年受けていると、数値に変化が表われる項目も出てきて、目に見えない内臓の状態も数値化でき、早めに対処することができます。
また、今は犬種によってなりやすい病気がわかっているので、その病気になっていないか?、気をつけるべきことなども、獣医からアドバイスをもらえるでしょう。
犬と触れ合い、体調の変化に気付く
わんちゃんと触れ合うことで、体の変化にいち早く気付くことができます。
「いつもは嫌がらないのに、歯磨きを嫌がるようになったと思ったら、口内炎ができていた」
「足を触ったら嫌がったのでよく見てみたら腫れていた」
など、わんちゃんの体調の変化に早めに気付くには、やはり飼い主が、毎日犬と触れ合うことがなにより大切です。
飼い主のスキンシップで犬に安心を
老犬になると、目の色が濁って白内障になったり、耳が遠くなったりします。
症状は人間と一緒ですが、犬は言葉を話せない分、飼い主が犬の様子を観察していないと気付きにくいものです。
よく「老犬になって性格が変わった」という話を聞きます。
想像してみて下さい。
目も見えず、音も聞こえない世界。どんなに孤独な世界でしょう。
恐ろしく不安でいっぱいだと思います。
歩くと物にぶつかったり転んだり、音が聞こえないので名前を呼ばれたことにも気がつかず、急に体を触られたらびっくりしてしまうのも当然ですよね。
老犬はそんな世界で過ごしているのです。
そんな世界にいるときに、優しく触れてもらったら、抱きしめてもらえたら、どんなに安心することでしょう。
それだけでわんちゃんは、安らぎを感じてくれるはずです。
飼い主が元気であること
老犬の介護は本当に大変です。
「ずっと続くわけではない」と思いつつも、実際に介護している時には「いったいいつまで続くのだろう」そう思ってしまうこともありますよね。
・老犬が夜泣きするから、ゆっくり眠れない
・床ずれ予防で、数時間おきに体勢を変えるからまとまった睡眠がとれない
・老犬が心配で外出できない
こうした心労がたたって飼い主がダウンしてしまっては大変です。
そうならないためにも、ご家族にできる範囲で協力してもらいましょう。
「週に1日だけ、夜ぐっすり眠れる日を作る」
「老犬を家族に任せて数時間外出する時間を作る」
もしご家族の協力が難しい場合は、ペットシッターのケアサービスを使うのも1つの方法です。
外出時に預かってくれるショートステイや、泊まりでの預かりを行っているペットホテルもあります。
そうしたサービスを上手に活用することで、飼い主さんが元気でいられることを、介護される犬たちも望んでいるはずです。
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